三年間の想いを込めたPTA会長「祝辞」読んで下さいね。

三年前の春。
初めてのPTA役員として富士中学校・副会長職を終え
帰宅すると、
テレビの前に、「おめでとう!」
と書かれた紙と、八丈高校の封書がありました。

中を見ると、副会長と書かれてあり・・・
保護者のみなさんはじめ、誰もが予想しなかった選挙結果に
一番驚いたのは、もちろん私でしたね。(>_<)

一から学ぶ会議や行事に、戸惑ってばかり。
そんな一年もあっという間に過ぎ、
翌年には、「圧勝です!」
と前会長から引き継いだPTA会長。

毎回の挨拶に悩みつつも
この二年間、とても良い経験をさせて頂きました。

昨年の卒業式「祝辞」では、ケイから
「良いこと話してるんだろうけど、何が言いたいかわからなかった。」
と言われ、今年は伝わる祝辞にしたいなと。

よりわかりやすく、
でも昨年とは全く異なる内容にしたいな~
いろいろなパターンが頭をよぎりつつも
何が一番ふさわしいのか、絞ることができずにいました。

そんな時、息子ケイと保育園の時からいつも一緒だった
近所のYくんがわが家に。
「進路決まった?」
「第一志望ではないのですが・・・」
と、心許ない返事。

そうか~
卒業生の今の気持ちって。。。
私の心の中に、
卒業生の思いを見つけることができました。

卒業式四日前の午前3時。
突然頭の中に祝辞が浮かび、チラシの裏に走り書き。
それから何度も読み直し、完成させました。

卒業式の夜、
携帯にメールが届き
「卒業おめでとうございます。Kが隆弘さんの挨拶の言葉が心に響き感動して
優しく、格好いいステキなお父さんと大絶賛です。ありがとう。」
と。在校生のご家族からでした。

昨年の卒業式に出席した保護者の方からは
「長田さんの涙に会場の保護者、貰い泣きの嵐と聞きました。
見に行けば良かった。」

と。そんなことは・・・(>_<)

更に
「ご卒業おめでとうございます
昨年にも増して感動的な式だったんですね✨✨
一年前を思い出して胸が一杯になります?」

昨年の卒業式を思い出して頂き
私自身も胸が熱くなりました。
(昨年の卒業式様子は、こちら)

そして卒業生保護者みなさんからは、
「笑えて泣けてって最高峰の祝辞だよ?
笑いあり涙あり?」

「めちゃめちゃいい祝辞でしたよ。
言葉だけじゃなく思いが伝わりました。
きっとみんな一生忘れません^ ^」
更に更に
「本当よかったですよ、
子供達の事を本当に思ってくれてるんだなって感じで
どんな流暢な挨拶よりもステキでした^ ^」

男性陣からも
「(卒業した)息子も一緒に聞いてたけど、泣いてた。」

男飯のRくんからは
「隆弘さん、感動致しましたした❗?」
と。

来賓のTちゃんからは
「あんなに感動するPTA会長のスピーチ、日本中探してもないと思います!
去年も長田さんのスピーチに感動したけど今年は更に泣けました!
先生達も大泣きでしたね。思わずメガネを外して泣いてる男の先生もいましたよ。」

そして、
三年間一緒に役員を務めてくれたAちゃんからは
「Mに泣いた?って聞いたら、『長田さんの話しで一回だけ泣いた。』って話してました。
きっと彼女の心の中に一生残るでしょう。」
と。

怖くて息子には聞けなかったけど、
「卒業おめでとう!」
と伝えると、笑顔で
「ありがとう。」
って。

三年間の想いを込めた「祝辞」
読んで下さいね。

第68期卒業生
普通科40名
園芸科0名
家政科1名に。

「祝辞」

卒業生のみなさん、そして保護者のみなさま、
本日は、ご卒業おめでとうございます。

校長先生はじめ教職員のみなさま、卒業生ひとりひとりを温かくご指導して下さり深く感謝申しあげます。また、ご来賓のみなさま、日頃のご支援に対し厚く御礼を申しあげます。

卒業生のみなさん
「おめでとう!」
この三年間、みなさんと一緒に八丈高校に通えることができ、とても感謝しています。

今日は、一つだけ
私がみなさんと同じ卒業生の頃のお話しをさせて下さい。
私の夢は、「八丈島の海をトコブシで一杯にすることでした。」

水産試験場で卒業研究をしながら八丈島の海を潜り、トコブシ調査のお手伝いをしていました。残念ながら第一希望でした水産試験場の試験に落ちましたが、総工費3億2千万。当時民間としては北海道一の規模となるアワビセンターに採用されました。

ところが、このセンター。北海道の方からは「この施設でアワビの飼育は無理だ。」「やり方を変えなさい。」「やめた方がいい。」と非難されていました。

私は、理解することができず「これまではダメだったかも知れない。でもチャレンジして何が悪いのですか!」と、涙を流しながら訴えた事があります。
そんな私に返ってきた答えは、
「君のチャレンジのために、何億円のお金を使うわけにはいかない。」
悔しかったですね。

私は100万個のアワビを育てました。一年後、30万個のアワビを殺し大失敗。数千万円の赤字となります。

ちょうどその頃、水産試験場の採用試験があり、私は東京に戻る機会に恵まれます。筆記試験を終え、面接を待つ間、北海道を今離れて良いの?あの涙はなんだったの?今、仕事辞めて、これから先、後悔しないの?

私は、「すみません。まだ北海道にやり残した事があります。それが終わったら、また受けに来ます。」と試験会場をあとにしました。

それから、地元のみなさんに協力してもらい、北海道でアワビ生産量第1位になります。アワビだけでなく、毎年一つずつヒラメやカレイなど魚介類の飼育にチャレンジし新しい技術を習得しました。

社会人として11年。北海道を離れるのですが、辞表を出す際、「おまえがいなくなると地元の水産が10年遅れる」と言われました。また北海道庁(当時水産部長)からは、「50億の栽培センターの所長にするから北海道に残れ。」と。

未来は、夢に向かって、失敗を重ねていくからこそ、輝きを増します。
その失敗の、乗り越え方一つ一つが、君たちの、人それぞれの人生となっていきます。

目先のことで失敗したからと言って、自分の希望する道では無かったからと言って、後悔するのではなく、もう少し先にある未来に向かって、もう少し先にある夢に向かって進んで下さい。

私のように大失敗して立ち上がれなくなったら、どうしても悔しくて人生を辞めたくなったら、後ろを振り向いてご覧。

みんなが君たちを支えてくれます。(みなさん、支えてくれますよね)

私の今の夢は、32年後の今日、君たちが保護者として、関係者として、PTA会長として、第100回目の卒業式を彩ってくれることです。そして、君たちの夢を、君たちの経験してきた人生を、次の世代に繋げて下さい。

「みんな!大きくなったね。
 卒業、おめでとう!
 そして、ありがとう!」
本日は、ご卒業、おめでとうございます。

平成30年3月2日
PTA会長 長田隆弘2018年3月6日 

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